廃棄物処理法は、廃棄物を適正に処理するにあたり、「排出事業者責任」をうたい、罰則を設けております。「不法投棄」を行うと最高1億円+現状復帰責任など罰則規定は、証券法の次に厳しい法律です。
2003年汐留の再開発などで、大規模移転が続きました。突発的な廃棄処理に関して各行政が警戒・指導を行うきっかけで各企業が「移転ごみ」に関しての適正処理を考えは始めました。環境省などの関係省庁の指導により移転ごみのスリーアール(3R)の推進が始まりました。
マニフェスト制度は、産業廃棄物の委託処理における排出事業者(ユーザー)責任の明確化と、不法投棄の未然防止を目的として実施されています。
産業廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理することになっております。
その処理を他人に委託する場合には、産業廃棄物の名称、運搬業者名、処分業者名、取扱い上の
注意事項などを記載したマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して、産業廃棄物と一緒に流通させることにより、産業廃棄物に関する正確な情報を伝えるとともに、委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを排出事業者(ユーザー)が把握し、これを5年間保存する義務を課せられています。
マニフェスト制度は、厚生省(現環境省)の行政指導で平成2年に始まりました。その後平成5年4月には、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性、その他の人の健康や生活環境に被害を生じるおそれのある特別管理産業廃棄物の処理を他人に委託する場合に、マニフェストの使用が義務付けられました。
平成10年12月からはマニフェストの適用範囲がすべての産業廃棄物に拡大されることになりました。
さらに平成13年4月には、産業廃棄物に関する排出事業者責任の強化が行われ、マニフェスト制度についても、中間処理を行った後の最終処分の確認が義務付けられました。
マニフェストの不交付、虚偽記載、記載義務違反および保存義務違反など、マニフェストに係る義務を果たさない排出事業者および処理業者は、万一、委託した廃棄物が不適正に処理された場合、
都道府県等から措置命令(法第19条の4第1項)を受けることがあります。また、違反の内容によっては刑事罰を受けることもあります。
残置什器類の所有権者である退出テナントに処理責任があります。
敷金相殺でビルオーナーが残置什器類の片付けを受託するには、他人の物を片付けるという意味で、※管理業務委託契約を結ぶ必要があります。
現状有姿で、ビル・土地を残置什器類込みで購入したケースでは、ビルや土地の購入者が排出事業者と成ります。但し、ゴミの処理費用を相殺勘定で計算して購入していることは明らかであり、廃掃法上いわゆる『見かけ有価』取り引きとみなされる懸念があります。
あくまでも元の「所有権者を排出事業者として処理を完遂」すべきだ、とされています。
残置什器類の廃棄を原状回復業者や建物解体業者に委託することはできません。
(別頁、建設リサイクル法想定問答集 参照)
工事に伴って排出される建設廃材と什器・備品類は基本的に別物であり、それぞれ発注者
(所有権者)が、専門業者に受理委託すべきものです。(建設廃材の排出事業者はゼネコンで結構です)
什器類の所有権者である発注者において処理を完遂すべきものです。
※建設リサイクル法 質疑応答集
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/recyclehou/qanda/index.htm
「引越時に発生する廃棄物の取扱いについて」のマニュアル
http://www.env.go.jp/recycle/waste/hikkoshi/manual.html
Q. 解体する建築物内に家具や家電製品などの残存物品が残されている場合はどのようにすればよいのか?
A.家具や家電製品については、工事の発注者が、その排出者として事前に処分して
おくべきものである。
このため、事前調査の段階で残存物品の有無の調査を行うこととなっており、残存物品が建築物内に残されている場合には、発注者に対して事前に撤去するよう依頼しなければならない。
また、この場合には、事前措置の段階で残存物品が搬出されたかどうか確認することが必要である。
残置什器類の廃棄を引っ越し業者に委託することはできません。
あくまでも残置什器類の所有権者である発注者において、引越は引越業者に、不用品の片付けは処理業者に、それぞれ別に委託するべきものです。
更に、行政当局は我々業界に、「移転作業」と「産業廃棄物処理作業」を明確に分離するように指導しています。
スチール家具メーカーやその代理店が、新規製品の納入時に不要となる家具類を引き取るサービス
を展開しようとしておりますが、次のような問題点が指摘されております。
・新規購入の金額の中に、不要物の片付け費用が含まれているわけで下取り』と謳われていても 「その片付けは廃掃法上の問題」として取り扱われます。
・机や椅子を納入して、収納、パーテーション、雑ごみ等の不要物を回収することは廃掃法上行政指導の対象と成ります。
・あくまでも残置什器類の所有権者である排出事業者に於いて、新規購入品はいくら、不用品の片付けはいくら、 とそれぞれ別々に交渉、委託しなければいけません。
一旦ある業者の倉庫等へ預かって、そこで選別、分別して、後で片付ける』『程度の良い物はオークションで販売し、売れ残った者だけ処理します』という提案もよく見受けられますが、このやり方には次の問題を含んでいます。
・オークション会場や倉庫等への搬出・輸送が、一般貨物輸送なのか廃棄物収集運搬なのかがハッキリしていない状況での搬出・輸送は、 その後の処理の実態に照らして、廃掃法違反を問われる可能性があります。
・一旦納入した場所での分別作業は“中間処理”とみなされ、必然的にその場所には“中間処理施設”にとしての適法な許認可が必要となります。
東京エルテックでは「安全」「安心」の環境マネージメントをご提供させていただきます。
1.廃棄物処理に関する管理業務
2.廃棄物に関する適正処理を推進するコンサルティング
3.産業廃棄物、委託契約書及びマニフェストの締結及び回付補助業務
4.委託処理費及び運搬費の代理清算業務他
これら、様々な法的問題点は、環境省や東京都が盛んに業界に指導しておりますが、その多くがこれ迄、ごく一般的で、誰も不思議に思わない、という点でコンプライアンス上の危険性を含んでおります。
特に近年環境重視の時代背景の下、行政当局は、「責任の所在の明確な不用物の片付け」を指導しております。
廃棄物処理法違反による排出事業者責任が問われる事の無いように、情報の提供をさせて頂きます。
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